星降る夜にあの薔薇園で

上手く言えないけど、なんか好き。言葉にできないくらい、どうしようもなく好き。

Spring Paradise 2022〜CRUSH THE FRONTLINE 〜

 

鉄を熱いうちに打てない人によるほぼ忘れかけのスプパラ備忘録

 

FRONTLINE

今回のコンサートでタイトルにまでなっているいわばリード曲を一発目に持ってくることでガツンと空気を作れるのいいよね。あのドーナツの真ん中をお立ち台にしての猪狩さんのラップパートが見せ方として最高に好きです。

装置に関しては、あの上でローラーできちゃうんだっていう驚きもありました。スタンドの目線の高さまで行く方法って色々あるとは思うけど、その上でパフォーマンスができちゃうっていうのがいわば上下移動版のムーステみたいな役割でおもしろかったです。HiHiの場合平面移動はローラースケートがあるので、会場が大きくなればなるほど縦方向の工夫がされていくのかなと思うと今後が興味深くもあります。そしてここからHiHi Jetsのオリジナル曲でたたみかける自己紹介のような導入〜!

 

ソロコーナー
作間くんはダンスももちろんだけど無機質なようででも胸が締め付けられる切ない声が曲に合っていて選曲の時点で狂いがない。

360mの瑞稀くんはカンベアのテディバラ🧸高いところが怖いって言う感情よりこの演出がやりたい!って言う気持ちが勝ってちゃんと実現できるところ瑞稀くんらしくて好きです。

橋本さん完全に生ける18禁 曲が始まった瞬間周囲のオタクがみんな「あぁっ….」って吐息を漏らしたのおもしろかった(笑)

ゆうぴのソロにはWISHの22歳の二宮和也の幻影を追って生きてきた人間を成仏させる力があった……

SparKingGangは「さっきからずっと俺の番じゃん」のパンチラインがヤバすぎる…!主張は強いけど、不用意に他者を傷つけるような暴力性ではなく、伝えたい相手にピンポイントで突き刺さって強い力で訴えかけるメッセージに痺れました。作間くんもこの曲が好きでサウンドチェックで猪狩くんがいない時にいつも裏で真似してるみたい(笑)音もいいんだよね〜って作間くんに言われてそう!音もいいんだよな!って本当にうれしそうにしてた猪狩くんも印象的でした。

 

赤西メドレー

何故Jr.でありながらここまで見せ方先行のパフォーマンスが考えられるのか…。エレクトリックな演出とローラーパフォーマンスの融合はずっと取り組んできたことのひとつで、猪狩くんが伝記でデビューを見据えて初めて聴く曲で魅せるやり方の話をしてましたが、このコーナーはまさにそれを意識していると思います。会場の規模に応じてもできることが全く変わってくると思うので、これからも進化を続けながらHiHi Jetsのライブパフォーマンスの代名詞として進化していくと思うと楽しみです。


$10〜レリビ

デビューユニット顔負けの豪華な衣装が増えていく中で、このままだとこの先どうなっちゃうの!?と思ったりもしていたので、敢えてあのシンプルな衣装で結構長めの尺をやるのかなり"あり"だなと思ったら、本人たちの発案で感動しました。しかもそれを前日に自分たちで買いに行ったというエピソードが、若い頃のSMAPが原宿に自分たちで衣装を買いに行っていたという史実とリンクして、曲との親和性もハンパではなかった…。当時のSMAPの振付師さんがHiHiについてくれてること自体驚きだったけど、たしかにオリジナルへのリスペクトを感じさせつつ所謂「SMAP風」みたいにならずに本質を捉えてる感じがするので言われてみれば納得でした。(Living largeを提案してくださったのもこの方なのかな?)そしてもはや言わずもがなですがパート割も最高!

HiHi Jetsは年に数本のコンサートを前回の組み直しではなく都度完全な新作として構成してるけど、前回から引き続きの曲の活かし方がうまいなと思います。$10はサマパラ〜五騎でもやっていて、一時期のFIRE!!のような最新の代表曲のような位置付けかな?HiHi Jetsの魅力は何か一つのものに特化しすぎずなんでもやれるとこだと思うけど、その中でも得意なジャンルの魅せ方、アピールは抜かりないし、そのフォーカスの合わせ方に狂いがないので安心して見ていられます。余談だけどSMAPならFlyをJr.の間に絶対に歌ってくれ頼む。


ところで、作間くんはガチガチに音ハメするイメージあると思うけど猪狩くんも音ハメの人だと思うんですよね?でも深く取る音が違うっていうか。たとえばこういうSMAPのジャジーな曲をやる時は猪狩くんの深い拍の取り方と緩急のある表現が印象的で、ああいう曲ではわりとラフな感じで踊っている作間くんが、EDMではギンギンにビートを刻んでるのがたまらん…!特にシェケと君の彼氏になりたいの首の振りのとこ〜〜(伝われ)猪狩くんはそういう曲ではむしろ刻むと言うよりは音にノッてる感じで対照的なのがおもしろいな〜と思ってます。


Pika Pika

初見横浜の時点ではまだドラマ放送前でしたが、すでに「これ何年後かに見たときめちゃくちゃエモいんだろうな…」とエモに振り回されてました(笑)明るくてポジティブなのになぜかちょっと泣けるこの感じ、ドラマ開始後に聴いてもやっぱり今のHiHi Jetsにぴったりで大好きな曲になりました。

曲調の「エモさ」もですが、振り付けを間違える振り付け、単に振り付けとしてのかわいさを超えて「わちゃわちゃ」みたいな、なんというか雰囲気の可視化?見せ方を超えた「感じさせ方」がうまいなと思いました。この話は後でもう一回します!(笑)

カラカラまわってコケるいがさくかわいかった…。

 

ジャニーズ20曲メドレー

リアデラって全ジャニーズの課題曲だし自我を消して踊る人が多いなかで、ゆうぴが最前面で踊る人としての意識を持って育ってきた踊り方なのが興味深かった。 逆に作間くんの自我を失った人間のリアデラもめちゃくちゃ癖に刺さる…

シェケからVanillaに行くほんの一瞬の作間くんの表情変化よ…瞳に宿る光の量を操れる人だ

「ねぇ、今もだよ」で一度失った命なのでもう怖いものはないです

フィギュアの微笑んでるんだけど感情がなさそうな感じがまさにフィギュアっぽくて刺さった…あの王子様衣装を翻しながら歌う感じもフィギュアみがあって素敵でした。


ガラスの十代  ふたりの10代最後の瞬間を、この曲で永遠にすることができた気がします。(なのでテクノロジーを駆使して映像化していただけるとなおわかりやすく形に残り大変ありがたいですよろしくお願いします)1日に2回「猪狩くんと作間くんどっち見るんですか?」って聞かれたんですけど"感じて"いるので…「いがさく」を……😌

光GENJIってローラーをやるグループとしては何度もやってきてるだろうし、そこにフィーチャーして曲を選ぶことも当然できただろうに、いがさくで、ガラスの十代やろうって、猪狩くんが考えついたのだろうか。

キンキをはしみずにっていうのはある意味わかりやすいけど、恋涙という曲が、一見全然違うタイプである橋本さんと瑞稀くんの最大公約数みたいな選曲でおもしろいなと思いました。そしてキンキ曲を大看板シンメに歌わせる局面で自分を添えるという決断、その方がより良くなるという判断ができるのがあまりにも俯瞰能力が高くて平伏しました。

猪狩蒼弥さんの仮面舞踏会最高〜〜ジャニーズ基礎の基礎をやってる猪狩蒼弥さん本当に最高なんですよ。ヒガシの立ち位置にいるのもめちゃくちゃ解釈の一致!

 

いろいろな曲を、いろいろな衣装、メンバーの組み合わせで歌い継いできたメドレーだけど、5人がスーツでセンターステージに集結した瞬間、本能で「SMAPだ………」と感じました。スーツの男性が5人等間隔で並んでるとSMAPに見える、っていうトリックを真っ正面からやるのが本当おもしろいなと思うし、このメドレーにおいて敢えて自分達の色に塗りなおしすぎずに本物をオーバーラップさせるような見せ方をするの、本当にズルい。よくわかってる。

 

そしてラストの嵐が完コピっていうのがね、これはもうこのブログを読んでいる方はご存知かもしれませんが何を隠そう私はHiHi Jetsに嵐を重ねまくっている人間なので(ごめん)これはもう本当にね…マジで泣いた………😂 いまのHiHi Jetsを見ていると、これからもしかしたらこの人たちは嵐ですら見られなかった境地にまで辿り着いてしまうのではというゾクゾク感、未知なる旅への胸の高鳴りに満たされる快感があります。


今回、嵐の曲は敢えてコアなアルバム曲などを避けたことでA•RA•SHIが際立ってるし、SMAPはメドレーでは「国民的アイドル」の部分を切り取りつつ自分達のパフォーマンスとしては$10とLet it beを畳み掛けてるのもめちゃくちゃうまくて、噛めば噛むほどセトリ組みが緻密で唸ってしまう……。二番煎じじゃ上に行けないっていうのもごもっともだけど、やっぱり「超える」と言うからにはまず同じところまで積み上げて話はそこからだと思うし、恐れず真っ向勝負で挑んだジャニーズメドレーは挑戦者の姿勢として本当にかっこよかったです。

 

そしてここからHiHi Jetsの最新曲、JETに繋ぐ勇気と自信よ…!先輩の曲で盛り上げて終わりじゃ20曲という時間をかけてこのメドレーをやった意味がないし、コンサート全体を通して芯を貫く意志とかストーリー性があることを痛感させられた展開でした。

 

HiHi Jets

HiHi JetsHiHi Jetsってもちろん大切な代表曲だけど、セトリの終盤この曲のイントロが流れた時「あ、まだ歌ってなかったんだっけ」と思ったんですよね。これを歌ってくれないと物足りないっていうフェーズは超えて、それでもなお燦然と輝く特別な曲になったなと思います。

 

挨拶

猪狩くんの「好き」はコンサートという空間をひと時の逢瀬に例えた疑似恋愛の中での「好き」じゃなくて、パフォーマンスや人間性に魅せられて応援している者とそれに応える者としての感情のやり取り、アイドルとファン、ギブとテイクの関係の中での語られる「大好き」だから、真実の言葉だなと思いました。もっというと、猪狩くんが挨拶の時に「愛」と並列で「仁義とか、筋を通すとか」って言ってて、彼の言うところの愛ってその延長線上にあるのか…それがいわゆる「恋愛感情抜きで大好き」ってやつか……と。間違いなくアイドルに言われたい言葉第一位です。ありがとう。

 

作間くんはきっとドローンを買ったのがうれしくて仙台にも持ってきたんだと思うんですけど、でも人は撮れないから使わないと思います(笑)って、聞いたときなんて愛おしい人なんだと思いました。4人のこと、HiHi Jetsのことが大好きだから短い一瞬一瞬も忘れたくなくて、すべて形にして残したいほど大切に思ってる。という表現が、その日自分たちのやっていることは形に残らないから愛が大切なんだって話していた猪狩くんとあまりにもきれいに対になっていて、でも本質的に同じことを言っているのがなんだか不思議でおもしろくも感じました。

自分の発した言葉が事実になっていくというような力強さがある猪狩くんと、誰が見ても認めざるを得ない、形あるものを何より信頼している作間くん。辿る過程は真逆でもふたり同じ場所に到達する、完全無欠のシンメトリー。

 

アンコール

仙台のドラゴンフライの映像、泣かせにきてるじゃないか…!なんでお手振りになっちゃうのとも思うけど、フィクションと現実の繋ぎ目がグラデーションのように曖昧だったあのオートリバースというプロジェクトにおいて、主題歌が"笑顔で歌える曲"であったことはものすごく救いになっていたし、5人がああしてうれしそうに手を振る姿が見られることがなにより一番、いいなって思いました。

HiHi Jetsにとってもはじめてのスタトロと思うとそれだけで本当にかわいくて、特別な瞬間に感じられました。「俺もやれる限りがんばってるよ……!」って言いながら左右へ腕がちぎれそうなくらい一生懸命ファンサする猪狩くんがとてもかわいかったです。

 

所感とかいろいろ

ジャニーさんの教えの中で私が特に感銘を受けたのは演者はステージから捌けるべきではないっていうもので、Jr.の立場で仙台ではバックもいなかったので必然的にそうせざるを得ない部分もあったとは思うけど、それはかなり意識して作っているのではないかなと思います。会場の規模が大きくなるほど難しくなる課題でもあると思うけど、ぴあのJr.をHiHi Jetsに見立てた演出は特に印象的でした。

 

HiHi Jetsの選曲ってともすると「人気曲はやりたくない」と青臭くトガってる感じにも見えるかもしれなくて、でも先を見据えて考え抜かれた緻密な戦略だったのかと思うと、10年後の答え合わせも俄然楽しみになるってものです。私たちが知る由もない種がいますでにたくさん撒かれていて、少しずつ花開いて満開になる日が来るんだろうな。

 

今回サブのステージが円形だったこともあるとは思うけど、丸くなって内側を向く振り付け、フォーメーションが多くてきっと意識的なものだろうと思うし、見せたい面を見せるのが本当にうまいというか、やっぱりイメージ戦略に長けているなと感じました。見られ方について意識しているのは前々から感じていましたが、最近では感じられ方、エモーションの統制もうまいなと思っています。あの空間にいる人が、もっと言うと今彼らと並走するファン全員がなんとなく同じ景色を見ながら、彼らと同じ空気感を共有しながら進んでいることの心地さたるや。わかりやすいところではドラゴンフライの演出だったりするんでしょうが、可視化できない若い頃のSMAPや嵐に感じていたみたいな革命前夜の雰囲気も、PikaPikaのわざと振り付けを間違える振りなんかを見ているとある程度周到に仕組まれていて手のひらの上なのかな〜なんて思ったりもします。

 

彼らの考える王道については、2年前の配信でやったサマパラのあたりから強く意識されている気がします。ジャニーズイズムの継承者としての誇りが猪狩くんのソロでも綴られていますし、裸の少年のこたつトークを見るに、それがすでに個人の考えではなくグループの総意として存在していました。特に瑞稀の「邪道ではないしね」の一言がこの思想をものすごく正確に捉えていると思います。ジャニーズにおける王道ってありきたりとか、誰かが通った道って言う意味ではなくだれも歩いたことのない道を切り開くその過程そのものだと思うし、彼らの歩む道は異端であっても決して邪道ではない。時代を切り拓く者の歩んだ道が、王道となり伝説となる。その過程をリアルタイムで体感できるのは本当に幸せなことだと思います。そして、彼らが王道を歩んだ先にどんな景色が広がっているのか確かめたいという気持ちも新たになりました。

 

これだけの文章量書いておいて何なんですけど、彼らについて語ろうと思っても最後はもう「何も言うことないよ」ってなっちゃうんです。ジャニーさんが言ったこの言葉の意味をずっと、もうダメ出しするとこがないくらいよくできてるっていう意味だと思ってたんですけど、今こうして彼らについて語ろうとしたときに分かった事は、こちらが感じたことの全てはすでに考え尽くされていて、すでに彼らによって言語化、分析、しつくされている。なるべくしてなっているなということです。私が言葉にするまでもなく、初めから彼らによってそうなるように仕組まれていたのだと気付かされた瞬間、出る言葉が「もう何も言うことないよ」だなと思いました。

 

余談ですが、個人的に飛行機に乗っての遠征自体初めてだったのでそれだけでもものすごくワクワクして楽しかったです。20年近くジャニヲタしてるけど、HiHi Jetsで初めてが経験できると思ってなかったのでジャニオタ人生まだまだこれからだなって思いました。はじめては全部君だけ…💓

 

現場が終わってもドラマにラジオにと必死に追いかけているうちにあっという間に夏になりそうです。現場ロスになってる余裕なんてない!